植物学の父、牧野富太郎て知っている?
1862年、坂本龍馬が勝海舟の弟子になった年に、土佐国佐川村に生まれた牧野富太郎は、小学校に入るも、家業の造り酒屋の跡取りなので学問で身をたてることはないと思い2年で中退し、それから好きな植物採集に明け暮れる生活をおくるようになりました。
佐川小学校で臨時教員を2年務めるかたわら、高知師範学校の教師永沼小一郎を通じて欧米の植物学に触れ、ますますのめりこみ、家の資産を植物研究に全てそそぎました。
22歳の時、東京大学の矢田部教授や松村任三教授と知り合います。その後は助手、非常勤講師を歴任しました。しかし、学歴のない牧野は他の研究員たちからは冷遇されました。
27歳の時、土佐で発見した新種の植物に”ヤマトグサ”と学名をつけ 「植物学雑誌」に発表します 。これが日本人がはじめて外国の学者に依存せず、自らの手で名づけることができた記念すべき第1号です。
その翌年の5月、東京小岩にてムジナモ発見しました。この発見は牧野富太郎の名を世界に知らしめました。
しかしながら、矢田部教授や松村教授らにより、植物教室の出入りを禁じられたそうです。
一時高知県に戻るも31歳の時に再度上京し東京帝国大学助手になり植物の研究をつづけ、94歳の生涯を終えるまでに。 全国をくまなく踏査し収集した標本は約40万枚、約2500種以上の植物を発見し命名しました。
日本の植物分類学の基礎を築き日本の植物学の父とよばるほどの大偉業を成し遂げました。
自らを「草木の精」と言うだけあって、牧野富太郎先生の写生も半端なく精密えがかれているよね。この写生も必見。牧野植物園で見ることができるよ。
牧野先生の写生からは、日本の学術水準を世界に示そうとした牧野先生の意気込みが感じられるわね。
アートな建築と自然な形で育てられている植物の調和は必見
レストランや回廊や記念館など、どこをとってもアートでオシャレな建物と、可能な限り自然な形で育てられた植物との一体感が素敵です。
上の写真のように、まるで自生しているかのように見えます。
木でできた建物は景色に溶け込んでいて、自然との一体感があり、座っているだけで癒されます。
建物は、建築家の内藤廣氏が設計したもので、サステイナビリティ(持続性)がひとつのテーマになっているます。景観に配慮された環境保全型建築の方向性を示す全国的に優れた建築物ととして、数々の賞を受賞しています。
6ヘクタールの広大な敷地に3000種類の植物
3000種類といえども、全て1日で見ることは不可能です。よほど植物に興味のあれば別ですが、園内を散歩しながら、たまたま目に留まった草木を鑑賞する方がほとんどだと思いますが、それで十分です。
いろいろな植物を観察したいけど、子連れでくると小さいお子様などは散歩にも飽きてきたりしますが、その対策として、ぜひ「スタンプラリー」をしてみてください。スタンプラリーは毎年3月~5月ぐらいまでの期間限定ですが、楽しみながら園内くまなく回れます。
五台山の地形を生かした植物園なので、起伏があり、結構な運動になります。
年間パスポートが2930円なので、年間入園券を買って、時々まったりしにくる方もいますよ。
温室には熱帯や亜熱帯の植物も見ることができます。下の写真の右上の、屋根が透明の建物が温室です。
温室に入るとシダの通路を通って奥にすすみます。熱帯の気分が盛り上がってきます。
熱帯の植物も、熱帯の環境を再現し、熱帯の魚といっしょに見ることができるところもあります。
この温室は開園当初からあります。
ピクニックができる広場もあり、小さなお子様連れでも楽しめます。
北園の「芝生広場」や南園「少年広場」や展望台のある「こんこん山広場」などでは、お弁当などを持ち込めばピクニックが楽しめます。
小学校や中学校の遠足にも人気の場所ですよ。
庭園が見えるカフェも併設しています。
正門を入って最初の建物が牧野富太郎記念館の本館になりますが、そこにレストランやカフェやお土産店あります。
レストランアルブルは旬の高知の食材をふんだんに使ったランチを食べれます。
美味しいと評判の店で土・日・祝日は込み合っていることが多いので、少し待つことになるかもしれません。
レストランのみを利用することもでき、その場合は入園料は必要ありません。本館窓口に申し出ることが必要となります。
なのでランチだけをデートに活用することも可能ですよ。
※ただし併設するカフェのみの利用には入園料が必要です。
レストランお隣にあるお土産店がありますが、牧野先生の植物の写生画のポストカードを購入されてはいかがでしょうか?緻密な植物の写生画は芸術品としての価値も高いと思います。
すぐ隣は四国八十八箇所霊場第三十一番札所「竹林寺」
この竹林寺も人気の観光スポットになっています。竹林寺は四国八十八箇所霊場第三十一番札所で、土佐随一の名刹。
聖武天皇が中国の五台山に登り文殊菩薩に拝した夢を見て、行基菩薩に五台山の霊地に似た山容を見つけるよう命じ。この地が天皇の霊夢にふさわしいと感得し、自らが文殊菩薩像を彫り山上に本堂を建てて安置したのが始まりです。
その後は弘法大師がここに滞在して瑜伽行法を修法し、荒廃した堂塔を修復して霊場にしたとのことです。
江戸時代には初代藩主の山内一豊公をはじめ武家の信仰も厚く寺運も隆盛し現在に至っています。
本尊の 文殊菩薩像 は日本三文殊の一つでわが国に現存する文殊五尊像の中で最古の作例と言われていますが、残念ながら、秘仏とされ、拝観はできません。
宝物館内にも仏像17体が奉安されており,そのすべてが国の重要文化財 となっています。
国の名勝庭園にもしていされた庭園も見どころです。
よさこい節で、「土佐の高知のはりまや橋で、坊さんかんざし買うを見た♪」と唄われている坊さんの 純信 はこの寺の修行僧。
少し前までは鹿がいっぱいいたのに、何処に行ったのだろうか。その謎も現地に行けばわかります。かつてたくさんいた野生の鹿は文殊菩薩の化身と崇めたことから鹿の像も残されているよ。
春は桜が、秋は紅葉で、とてもキレイです。
帰りに五台山の展望台で高知市内を一望。
牧野植物園と竹林寺を見て楽しんだあとは、締めくくりとして、五台山の頂上での展望台で夕日を眺めるコースはいかがでしょう。
高知市内を360度のパノラマで展望できます。
展望台の建物は1階がお土産屋さん、2階がカフェ、屋上が展望台になっています。
夜景も素敵です。
もともとこの建物は、昔はこの建物の場所から国分川の向こう側の青柳町までロープウェイが通っており、その名残です。
上の写真で、手前の国分川にかかっている橋が青柳橋です。その橋の青柳町(川の向こう側)のたもと付近にケーブルカーの乗り口がありました。
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