完全天日塩。田野屋塩二郎さん。

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完全天日塩

田野屋塩二郎さんは、高知県田野町で「完全天日塩」を作っている職人さんです。

人工の火力を一切使わず、「太陽」と「風」だけで、絶品の「塩」を作りあげます。

気が遠くなるほど手間と時間がかかり、生産効率が悪いので、全国でも数えるほどしか職人さんがいません。

その中でも「田野屋塩二郎さん」は他の追随を許さない熱意と技術で、全国の料理人やシェフから注目を集めている方です。

「2番目に最高!」が目標です。

田野屋塩二郎さんの考える「最高の塩」とは?と尋ねました。

  「最高なのは『それだけをなめて美味しい塩』なのかもしれません。」

   けれど「塩」はそれだけで食べることがほとんどない「調味料」です。

   他方、あらるゆ料理に欠かすことができず、肉や魚や野菜はもちろんのこと、

   鰹節や昆布などの旨味も、「塩」がなければ感じることができません。

   ですから、本当の意味での「最高の塩」とは「2番目に最高の塩」、すなわち

   「『食材の味をきわ立たせる塩』なんさと思うんです。」

との事でした。なるほど・・・

「甘い塩」ではありません

そんな塩二郎さんが作り塩は巷によくある「甘い塩」ではありません。

「塩二郎」をなめると、まず「しょっぱい!」と感じます。

そしてほのかに「甘く」「苦い」のです。

そう!子供の頃海水浴をしていていあやまって水を

「ごく!」

と飲み込んでしまったあの味、「海水の味」なのです。

素材の味を引き立てる

けれども、これを料理に使うとあら不思議!

しょっぱさは影をひそめ、「素材の味」をくっきりと浮かび上がらせます。

塩二郎さんによると、甘いだけの塩は味がぼやけてしまい、素材の味を引き出すことができなののだとか。

全国の料理人さんからも注文を受け、「50種類」もの死をを作り分ける塩二郎さん。

料理のプロが「最高級の和牛用に」「本まぐろの大トロ用に」「デザートの仕上げ用に」と特注する理由が分かる気がします。

「水」がいのち!

この最高の塩「塩二郎」は「水」が命!

塩二郎さんによると汚れが少なく栄養豊富な海水と、山のミネラルをたっぷり含んだ「川の水」の混ざった水が適しているのだとか。

「川の水」とは意外ですが、

甘い・しょっぱい・辛い・すっぱい・苦い

という複雑な味のバランスは純粋に海水だけでは出せないそうです。

その意味で、栄養をたっぷり運んでくる黒潮と、四国山地からミネラルをもたらす奈半利川が交わる田野海岸は「塩作りに絶好の場所」なのです。

「塩二郎」ができるまで

●海水の汲みあげ

「塩二郎」の命は「水」。満潮の3時間前、ホースとポンプを持って50m先の海に向かいます。

お目当ては栄養豊富で魚もたくさん住んでいて、さらに奈半利川の水が適度に混ざっている場所。

とても繊細な作業で、2~3日雨が降ると水が濁るので汲み上げはできません。

●彩かんタワー

海水を高さ10mの「彩かんタワー」からシャワーのように流し、潮風にさらします。

約一ヶ月ほどかけて少しづつ水分を飛ばし、塩分濃度約2.5%の海水を8%ほどに濃縮します。

●結晶ハウス

約3倍の濃度になった海水を、ハウス内の結晶箱に入れ、朝から「1時間ごと」に手で混ぜていきます。これは結晶を均一にし、ミネラル群が塩と別々にならないようにするための作業です。

夏のハウス内は60度を超え、並大抵の気力・体力では務まりません。

さらに刻々と変化する塩の状態に対応するため、塩二郎さんは施設の隣に家を構え、24時間・365日一日も休むことなく目を光らせています。

●「塩二郎」のできあがり!

一ヶ月ほどすると塩の結晶化がはじまり、1か月半~2ヶ月ほどでようやく採塩です。布袋ににがりごと入れ、脱水機にかけます。

品質をチェックした後、100gずつ袋に入れてようやく「塩二郎」の完成です。

なんと「2~3ヶ月」ほどもかけて、ここまでたどり着きました!!!

真っ白ではなく、乳白色なのがミネラルを含んでいる証拠です。

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